マードック帝国のダウ・ジョーンズ買収が正式に合意したということで、日本の各紙朝刊も、突っ込んだ情報と解説記事を載せている。
この買収、「カネになる」(マードック会長)質の高い経済情報(日経)の入手が目的であり、これは経済情報市場をめぐる世界規模のメデイア再編のひとつ、というのが包括的な見方だろう。
もうひとつ、新聞各紙が取り上げているのが、ウオール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙の「編集権」の独立の問題で、日経の編集委員氏は「世界的に企業再編の波が高まる中で、メデイア産業も例外ではあり得ない。それだけにニューズの傘下に入るDJとWSJ紙が変質するのかしないのか、注視していく必要がある」と書いている。
なるほど、マードック氏のこれまでの手法をみると、編集権の侵害は早晩起こるといっていいかもしれない。ただ、編集権の問題は、経営と編集現場とが鋭く対立したときに象徴的な問題になるのであって、それ以前に、WSJ紙が長年培ってきた情報の質の高さが貶められるところまで、その侵害が及ぶようなものなのかどうかが重要な問題である。
仮にそうであるとするなら、これはマードック氏にとっても自己矛盾であって、広義の意味での質の高さが減じるなら、それはやがてWSJ紙の価値低下につながり、グループの価値増大どころか重荷になることだろう。
ネット社会が進展すればするほど、かえって新聞のもつ「信用」を含む情報の質の高さが、相対的に価値を増大させてくるのではないか。少なくともひとつの方向性としてはあるのであって、もちろんネットが新聞を凌駕するといった異なるメデイアの敵対的関係というのも避けがたくあるだろうが、一方で、相互に補完しあい、相乗的な効果を引き出すという関係もあるはずである。
メデイアの再編の中で、新聞は変質するかといえば、変質する。質的な変化を余儀なくされるだろう。ただ、異なるメデイアの間で、新聞の情報価値が生かされる、そういう相互の関係というのはあるはずである。
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DJは変質するか
2007年08月02日 16:49 | パーマリンク | コメント(0) | トラックバック(0)
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産経新聞社で社会部記者のあと、朝刊編集長などを経験。その後、畑違いの総合企画室、総務局で仕事をし、2008年6月からニュースペース・コム社の社長。これまでの職業経験からいえば、これも予想外の展開。しかし、広告業界、それもクロスメデイアを標榜する世界に足を踏み入れて、いろいろと勉強しながら、結構楽しんでいます。
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