小沢さんの辞任表明で、政局は一気に不透明になった。しかし、この状態はさほど悪くはないのではないか。というのは、福田首相も、小沢代表も、いわば自らの政治信条に基づく賭けに出て、次の時代に向けて活路を開くという、まずは積極的な姿勢をとったからだ。
福田首相にとって、連立構想の下に政策協議に踏み込むというのは、大きな賭けであったにちがいない。それは政権をとりにいったときからの、戦略であり、これしかないという選択であった。一方、小沢代表にとっても、ここは日本の政治の大きな課題を一歩前へ踏み出す、重要な機会とみえた。
小沢さんは会見の中で「国連の活動以外は軍隊を派遣しないというのは、今までの政府の方針の大転換であり、憲法解釈の大転換だ」といっている。これは、単なる策略と言うことではないだろう。福田さんも、恒久法ができれば、テロ特措法の成立に必ずしもこだわらないと明言するのは、大きな決断だろう。
もちろん、両者の決断が、もっと大きな政治理念からして適切かどうかという議論はある。硬直した政治状況の打開のために、両者の思惑が一致したところへ落とし込んだという策略的な臭いがしないでもない。
小沢さんは、民主党はまだまだ若いので、連立政権でもまれ鍛えられれば、党としても力がつくといったことも言っているが、これもとってつけた論理のようにみえる。
しかし、いずれにしろ、福田首相も小沢代表も自らの信条を明らかにして、動いた。政治が広く見えているという状態は悪いことではない。という意味からすれば、小沢さんももっと説明責任を果たすべきだろう。マスコミ批判までぶちあげたが、いきなり辞任表明の会見ではなく、記者を集めて、コトの重要性と自らの信条を訴える機会はいくらでもあったのではないか。
民主党内についても同じだ。いかに党役員のレベルが自分の信念の領域まで達していないからといって、やってられない、やめますよ、では、あまりに「高貴なる孤立」ではないか。産経新聞の政治部長が「小沢時代の終わりの予感」と題して書いているが、こうも言いたくなるだろう。
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福田・小沢の政治的賭け
2007年11月05日 11:12 | パーマリンク | コメント(0) | トラックバック(0)
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産経新聞社で社会部記者のあと、朝刊編集長などを経験。その後、畑違いの総合企画室、総務局で仕事をし、2008年6月からニュースペース・コム社の社長。これまでの職業経験からいえば、これも予想外の展開。しかし、広告業界、それもクロスメデイアを標榜する世界に足を踏み入れて、いろいろと勉強しながら、結構楽しんでいます。
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