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政治リーダーの重圧

福田首相と小沢代表の「大連立」に向けた政治的賭けが一瞬、クロスして、実ることなくいったん遠ざかった。この両者の接近には、「旧来の政治的野合への後退」「安全保障上の重要な選択を密室で決めようとする、許されざる行為」と批判が強い。


産経新聞紙上では、櫻井よしこさんが「首相は国会で小沢氏の主張を論破せよ。信念をもって、衆議院の3分の2条項を用いる覚悟で閉塞状況を打破せよ。その信念をこそ、国民に問え」と述べ、田久保忠衛さんも、連立構想での福田首相の妥協ぶりを「理念なき政権のみせた醜態」と断じている。


小沢代表の辞任表明ー撤回留任というのも、いかにも子供っぽく、党首失格と言う批判も当然出てくるだろう。大連立から、一転、衆院選での決戦態勢といっても、それだけ求心力をもてるかどうか。


自民党にとっては、戦後レジームからの脱却という大きな政治目標を掲げた安倍政権の思わぬ挫折と、それによる「中断」がやはり大きい。福田首相の選択肢はきわめて限られている。そのなかでの大連立構想ということはみておくべきことだろう。策略的なにおいはするとしても。


小沢代表は留任会見で、大連立ー政権協議の考えが役員会でにべもなく拒否されて「プッツンした」と語ったが、小沢さんの中には、なんとしても政権をとりたいが、まだまだ若い民主党には、厳しい衆院選で勝てる力量がない。ならば、この閉塞した政治状況を逆手にとって連立協議にのってみるのも一つの選択ではないか、という切羽詰った思いがあったにちがいない。


そこに党内説得の手続きや、国民への説明といった配慮を欠いたところが、独断・密室といわれる理由だが、ここに党首という政治リーダーの孤独と重圧をみることも可能だろう。安倍元首相の場合も、立場や状況の違いはあるものの、自らの政治信条・目標とするところと、政治の現状とのギャップに追い込まれていく、という事態は共通している。


現在の日本の政治的な状況が、政治理念・信条を通そうとすると、現実政治(政治勢力の思惑)の壁に突き当たり、引き裂かれて閉塞する、というところにあることはよく認識しておくべきことではないか。
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代表取締役社長 岳中 純郎
代表取締役社長 岳中 純郎

産経新聞社で社会部記者のあと、朝刊編集長などを経験。その後、畑違いの総合企画室、総務局で仕事をし、2008年6月からニュースペース・コム社の社長。これまでの職業経験からいえば、これも予想外の展開。しかし、広告業界、それもクロスメデイアを標榜する世界に足を踏み入れて、いろいろと勉強しながら、結構楽しんでいます。

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