キシリトール仕掛け人の藤田康人さんとサイバーエージェントの須田さんが、ロッテリアの「絶品チーズバーガー」の口コミプロモーションを展開している。
藤田さんの「現在進行中! 今仕掛けている口コミの作り方」(日経ビジネスオンライン)によると、この「おいしいコト伝えたい」プロジェクトに、マス広告は一切使わない。
まず、はじめにマス媒体で、PRを行う。テレビ番組や新聞各紙で一般のニュース・話題として取り上げてもらう。一般情報だから、ネット(ニュースサイト)でも、取り上げてくれる。これによって、情報は格段に広がる。藤田さんらの狙いのポイントの一つはここにある。
次の取り組みが、ネットのブログとロッテリアの店頭でのプロモーションだ。ここにも仕掛けがしてある。それは「消費者代表」の学生を「インフルエンサー」(影響力を持つ人たち)として組織し、「学生マーケティングコンテスト」を展開することだ。
ちょっとこれも、宣伝への「動員」ではないか、と思わせるが、学生たちの面白がったいろんなやり方が「消費者の目線」を失っていないことが、ここでの最大のポイントだ。藤田さんは、ここのところを「口コミはやはりコンテンツの強さと伝える人の熱意が必要です」と述べている。
ネット上に誰もが気軽に参加できるブログと言う語り(口コミ)の場所があるということが、藤田さんらの「マス媒体でのPR+ブログ+店頭」という、クロスメディアを可能にし、また有効なものにしている。
ここで重要なのは、マス媒体、ネット、店頭でのそれぞれの位置と、それぞれのもつ宣伝・PRの価値とがよく理解されているということだろう。広く知らしめるところと、消費行動へと直接的につなげていくところでは、その役割も使い方も異なる。ネットにおけるブログやSNS、動画投稿などの登場は、消費行動に移す前に調査検討する段階があり、事後に情報の共有の段階もあることと深くかかわっている。
生産(企業)と消費(消費者)は、ひとつのプロセスであり、それは必ずしもパラレルではない関係をもっているため、広く知らしめることから、消費行動へとつなげていくには、いくつかの階梯を踏まないといけない。一つのメデイアに広い認知から消費への誘引までを負わせるのは、おそらく今の時代に即していない。マス媒体はネットや店頭とつながらないといけないし、その間をつなぐメデイア(手法)もまた必要となる。
ひとつのメデイアで十分と言う場合ももちろんあるが、それぞれの媒体の位置や特性を活用して、最大効果をあげるということが、これからますます有効になるのは間違いがない。なぜなら、メデイアの多様化と価値の相対化がこれだけ進むと、また、生産(商品)の論理と消費の論理の双方を包括しないといけないとなると、広告とPR、マスとネット・店頭を統合した手法が必要になるからだ。











