朝日新聞とテレ朝が株持ち合い
2008/06/12 更新
朝日新聞社とテレビ朝日(君和田正夫社長)は6日、都内で会見を開き、両社の株式を相互に保有し、新聞事業と放送事業の連携を強化するなど、新たな提携の枠組みを発表した。
朝日新聞社の社主で筆頭株主の村山美知子氏が所有する朝日新聞社株116万株のうち38万株(全発行株式の11・88%)を、テレビ朝日に1株6万3000円で譲渡。また、31万9000株(同9・97%)を、朝日新聞社創業家の村山家にゆかりのある財団法人香雪(こうせつ)美術館(注)に寄付した。村山氏はコメント(全文別掲)で「朝日新聞グループ全体の発展と経営安定のために貢献できれば」と述べた。
一方、朝日新聞社は保有するテレビ朝日の株35・92%のうち、5%にあたる5万3000株を時価で村山美知子氏に譲渡したが、村山氏はこの株式を香雪美術館に寄付。テレビ朝日が朝日新聞社の株主総会で議決権を行使するには、朝日新聞社がテレビ朝日株の保有比率を25%未満にする必要がある。このため、朝日新聞社は9月末までに残り6%弱のテレビ朝日株を譲渡するとした。譲渡先は明らかにされていない。
会見で、朝日新聞社の秋山耿太郎社長は「朝日にとって株式の移動は、テレビ朝日との提携強化と、朝日新聞社の株を長期的に安定化させる意味がある。朝日新聞社が支配的にテレビ朝日の株を保有する資本関係ではなく、両社がイコールパートナーとして株を持ち合うことにした」と述べた。テレビ朝日の君和田正夫社長は「メディア環境は厳しく、マス4媒体の体力は低下している。新聞とテレビに情報通信を加え、メディアを再構築できたらよいと思う」と語った。
両社は昨年秋から連携についての協議を重ね、村山美知子氏が朝日新聞社に株売却の意向を示したのは今年1月。朝日新聞社がテレビ朝日に買い取りの意志を打診したのは3月だという。その後、5月後半まで村山氏とテレビ朝日との間で価格交渉が続いた。
今回の株の移動で、村山氏が保有する朝日新聞社株は46万7641株(朝日全株式の14・61%)に低下したが、いぜん筆頭株主。テレビ朝日の筆頭株主も29万株あまり(テレ朝全株式の28・85%)を保有する朝日新聞社のままだ。
両社の事業提携では、協議機関として「提携推進委員会」を6日付で設置。両社の社長が共同委員長を務め、委員は両社の関係役員で構成する。同委員会は月1回ペースで開催し、大枠の方針を決め、プロジェクトごとにワーキンググループを立ち上げる。すでに立ち上げたグループは①朝日新聞紙面とテレビ朝日の番組を連動し、コンテンツの充実と向上を目指す「紙面と番組の連携」②新たなメディア環境に対応した「クロスメディア戦略」③企業風土の相互理解を深め、人材力を向上させる「人事交流・合同研修」。今後、両社で取材拠点を共同化し、取材力を強化するほか、広告・事業などの各部門でグループを増やしていく。事業提携に関して秋山社長は「提携の具体策として、クロスメディア、マルチメディア戦略、メディアの再編を視野に入れて話を進める。両社の共通目標はメディアの激動期に『ともに勝ち抜こう』ということだ」と語った。
【提供:新聞情報社】





























