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報酬テーマに講演会

2008/08/07 更新

日本アドバタイザーズ協会(JAA)は7月25日、東京・銀座のコートヤード・マリオット銀座東武ホテルで講演会を開催した。立命館大学の小泉秀昭教授とJAAの稗田政憲・広告取引合理化委員長を講師に招き、「広告会社の報酬制度アンケート結果からみる日本の広告取引の現状と課題」をテーマに、「報酬の透明化」に向けた講演と対談が行われた。
 第1部では小泉教授が、JAA会員社を対象に今年の3月から4月にかけて行った「広告会社の報酬制度」の第3回調査結果を報告した。まず、広告主が広告会社に支払う報酬制度には「グロス」「コミッション」「フィー」「成功報酬」の4つがあると説明。そのうち、広告主に総金額を知らせて報酬を得る「グロス」での取り引きは縮小し、取引全体の54.5%に下落した。前回(05年)は60.0%、前々回(02年)は65.5%だった。
 一方、コストベースで報酬を算出する「フィー」と、合意した目標をどれぐらい達成したか、広告主の担当者が評価し報酬を決める「成功報酬」での取引はいずれも拡大。それぞれ19・5%、5・2%となった。小泉教授は「ネットなど、新たなメディアには、フィーで支払わないと対応できなくなっている」と解説した。また、日米で広告の報酬システムを比較。「米国では、主流だったフィー取引を見直す機運がでてきた」として、時間給に基づいたフィーに代わって、広告会社が提供するサービスの価値をあらかじめ決定し、そのパフォーマンスを評価する「価値ベースのフィー」が検討され始めていると報告した。
 第2部の対談では、JAAの稗田政憲広告取引合理化委員長が「フィーやコミッションのような透明性の高い広告取引を行っていくためには、広告主も変わらなければいけない」と発言。グロス取引のデメリットについて「グロスだと、価格の高い広告を売り込まれる可能性がある。例えば新聞広告は価格の高い15段が中心だが、7段を2回にわたって掲載した方がインパクトが大きい。広告主にとってはデメリットになる」と語った。一方、小泉教授は「新たなメディアが次々に出現し、グロスなど一括した取引では駄目だ。小さな広告主や中小の広告会社こそ、フィーなどの新たな手法を勉強し、開発すべきだ」と訴えた。
 稗田委員長が「広告主と広告会社がウィン・ウィンの関係を築くには『成功報酬』取引こそ良いのではないか」と述べたのに対し、小泉教授は「何を基準に『成果』を測るのか。監査などを入れ、広告取引の透明性を確保するのは大事だが、日本の商慣習には馴染まないのではないか」と疑問を呈した。稗田委員長は「監査で指摘されたことを是正し、努力すれば不正の抑止にもつながる。(広告製作で)買ったものが適正に使われたかだけでなく、コスト削減も検討できる」とメリットを強調した。
 稗田委員長は7月末にネスレ日本を退社。JAAの広告取引合理化委員長からも退いた。

【提供:新聞情報社】

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