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異常事態支援サービス広がる

2008/08/26 更新

 中日新聞社がビジネスモデル特許を持つ異常事態支援サービス「E・S・S(エマージェンシー・サポート・サービス)」の取り組みが三重県内の中日新聞販売店で広がっている。同サービスは加入・登録した新聞購読者宅で新聞がたまっているなどの状態を配達スタッフが見つけた場合に本人や緊急連絡先へ連絡する、新聞販売店ならではの付加価値サービス。地域の理解も得て実施されるサービスだけに、この取り組みの広がりは地域からの信頼をより高め、目先の販売競争にとらわれずとも、地域に密着した中日販売店の強みを生かした戦略を推進できる。
 07年版中小企業白書で、消費者が中小の店舗に期待する「付加的なサービス」のデータ(三菱総合研究所「消費者実態アンケート調査」)を示している。そこでは、有償であっても提供が期待されるサービスとして、「一人暮らしの高齢者見回りサービス」への期待が高く、また、地域づくりに関する取り組みについても「防犯・見回り活動」に対する期待も高いとしている。
 こうした消費者ニーズに合致する「E・S・S」は名古屋市内から愛知県下へと提供範囲が広がり、三重県内では桑名市を中心とする桑員地区で昨年10月25日から、四日市を中心とする三泗地区で今年3月から(菰野地区は5月から)実施が始まった。三重県内では両地区と同じように他地区でも本格的な取り組みが始まる。
 「E・S・S」の実施にあたり、三重県中日会桑員支部(中村明支部長・治田)では昨年8月から同支部の労務委員会(前田一夫委員長・蓮花寺)の6人のメンバーが各自治体やその首長、消防署や警察署、各地区の社会福祉協議会、民生委員を対象に「E・S・S」への理解を促す説明を行ってきた。「養成も受け、20数回説明に回ったことが一番の苦労だったが、中日販売店が信頼を得ていたことから実施できることになった」(前田委員長)。
 同会三泗支部(寺本和盛支部長・菰野)でも昨年4月から販売店スタッフ向けの研修から準備を始めた。寺本支部長とE・S・S委員長の若杉信明さん(四日市あかつき)、同委員の柳川成司さん(川島)らで桑員支部と同様に各自治体などへ説明に回った。
 桑員地区では「E・S・S」に19人(男性9人、女性10人)が加入・登録。平均年齢は77歳。中村支部長は「『E・S・S』は中日販売店ならではのサービスで、地域密着を掲げて仕事をしている中日店にマッチしている。尊い命を地域のみんなで見守ることに参加できることが意義深い」と話す。前田労務委員長も「他紙との差別化や新聞購読の継続に『E・S・S』は有効。今後も集金時など読者宅へ訪問した際に案内していきたい。そして『E・S・S』の良さを広く地域の人たちに知っていただきたい」と力を込める。
 三泗地区は50人が加入・登録。女性で70歳代が多い。「新聞の無読者や高齢の読者が増えている。『E・S・S』への取り組みは読者開拓の仕事の一環。一時、加入の動きが止まったときにPRをしたら動きが戻ったこともあり、今後も宣伝に努めていく」と寺本支部長。柳川委員は「読者らの安否気遣いは配達で区域中を回る販売店だからこそできること。一人暮らしの高齢者が多く住む団地では『E・S・S』が口コミで広がっている。地道な活動だが、これからも一人でも多くの人を見守っていきたい」と意欲を話す。
 同白書では、中小店には地域活性化などにおいて「地域への思い入れ、住民からの親しみ、本業との相乗効果などの発揮が期待されている」ほか、その役割は商品・サービスの提供にとどまらない地域づくりの担い手へと高度化してきており、その実現に向け、「関連事業者、市民、行政との連携、協働が不可欠」と指摘する。
 この指摘を待つまでもなく、すでに地域と一体となって、求められているニーズに応える事業として展開しているのが「E・S・S」。このサービスの提供が広がるほど、中日販売店の地域での存在価値は高まり、次代のニーズも他より先につかむことができる。

【提供:新聞情報社】


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