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「枯葉」の幻のテイク1(8/29)

2008/08/29 更新

  レコード会社大手のEMIミュージック・ジャパンは、マイルス・デイヴィスが演奏し、モダン・ジャズ史上屈指の名演にして人気曲である「枯葉」の未発表音源(存在しないと思われていた同曲の貴重なテイク1)を8月20日0時からバーチャル・ジャズ祭「Blue Note J@zz Festival」(http://www.emimusic.jp/jazz/bnjf/)サイトで世界初ストリーミング公開(無料)した。
 「枯葉」は、マイルス・デイヴィス、キャノンボール・アダレイが名門ジャズ・レーベル「ブルーノート」に残した傑作アルバム「サムシン・エルス」(1958年3月9日録音)の1曲。同アルバムはCBS(当時)と契約して売り出し中のマイルスが、かつて世話になった「ブルーノート」の社長アルフレッド・ライオンへの恩返しとして持ち込んだ企画とされている。契約上の理由から、当時のマイルス・クインテットの若手アルトサックス奏者のキャノンボール名義のアルバムとして発売されたが、世界で最も名高いジャズ・アルバムの1枚として「ブルーノート」、マイルス、さらにはモダン・ジャズを代表する傑作とされ、今なお聴く人を魅了している。「枯葉」は第1曲目に収録され、印象的なイントロ、マイルスの美しいミュート・トランペット、メンバー5人中唯一健在のハンク・ジョーンズ(8月来日)の優雅なピアノなどで知られている。
 今回公開された「枯葉~テイク1」は、50年前に録音されて以来、一般には存在すら明らかにされていなかった録音。このテイク1は、ブルーノートの研究家、発掘者として知られるマイケル・カスクーナ氏が30数年前(1975年頃)に発見していたものの、「マイルスは完璧以上だがキャノンボールのソロの後半に破綻があり、リズム・セクションも乱れる」などの理由で「(当時在命であった)プロデューサー、アルフレッド・ライオンの判断を尊重するためにも世に出さないことに決めた」ことも今回明らかになった。
 「ザ・ブルーノート・レーベル」(マイケル・カスクーナ/ミシェル・ルプリ編、グリーンウッド刊、1988年初版、2001年改訂)でも「枯葉」はテイク2がマスター・テイクとして採用されているという記述があり、先行するテイク1は記載がないことからrejected(消去)またはincomplete(演奏中断)と信じられていた。今回、カスクーナ氏によって、録音50周年、アルフレッド・ライオン生誕100年の「今年こそ封印を解くべき時で、ストリーミングに限って公開しようと判断」され、同社のウェブ・サイトでの公開が決定した。テイク1の録音は最初30秒ほどで中断、その後、ルディ・ヴァン・ゲルダー(ブルーノートの楽曲のほとんどを録音したエンジニア)のキューと共に2度目のテイク1が始まり、約10分間で完奏。楽曲前後と合間にはマイルスやルディ、アルフレッドの会話や談笑も聞こえる。今回は、これら「中断」や「会話」も含む全11分25秒をネットでストリーミング公開(無料)した。さらに、同サイトでは、先年テイク8の発表が話題を呼んだコルトレーン「ブルー・トレイン」の最初の完奏テイクや、すべてが貴重なドルフィーなど、「枯葉」テイク1と同様、これまで決して発表されることのなかった貴重な「ブルーノート」音源も世界初公開。これらの楽曲も、順次ストリーミング公開する。

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